基武雄の独立開業講座

あなたは、飛行機を操縦したことがありますか。

新聞を読んでいるとスカイネットアジア航空(宮崎と羽田間、熊本と羽田間)に対して全日空と日本航空が経営再建に名乗りを上げている。また、スカイマークエアラインズも苦戦している。
また、エアドゥ(東京と北海道間)も全日空と提携している。ちなみに、北九州を拠点として北九州と羽田間に来年の3月頃就航するスターフライヤー航空もある。が、経営は厳しい。
それから、沖縄では飛行せずに断念した会社もある。

 日本において、あるいは世界においても航空会社を設立すると言うことは不可能ではないが、努力の割には利益が出ない市場なのだ。いくら規制緩和と言っても資本金も多くいる。会社の規模にもよるが20億円の資本金は必要だし、専門職が多いので人材募集から初飛行までは不眠不休の仕事である。
現実的に、全日空も日本航空も必死の思いで経営をしている。

さて、航空各社の中で何人の経営者が飛行機を操縦したことがあるだろうか。皆無に等しい。
 幸いにして私は双発機のセスナ機を3時間以上操縦したことがある。
また、真珠湾攻撃のレクチャーも受けている。

21歳から飛行機雑誌を買って読んでいた。飛行機に対する憧れはあったが、まさか26歳の時にセスナ機を操縦するとは思ってもいなかった。これは、良い体験をした。私の財産にもなっている。
 これからも航空会社を取り巻く情勢は厳しさを増していく、石油の高騰、マイレージ等による無料での搭乗。常に運賃が変わる。旅行代理店の排除に動いている。組合のストライキ。

特に、組合は会社の事情は考えずに「給料を上げろ」と経営者を脅迫している。いい大人が、自分の会社が経営難であることを自覚していない。また、会社が黒字になったからといって安泰ではない。私に言わせれば組合は脅迫団体だと思っている。利益は努力しても出せないときだってあるのだ。

 このように経営者は、すべてが敵だらけと言っても過言ではない。
 ちなみに、奄美大島と羽田間に「新航空会社を設立して・・・」と、考えた事があるが、絶対に無理である、需要がない。ちなみに、奄美大島と羽田間は世界一高い航空運賃なのである。また、奄美大島と鹿児島間はなんと約400キロで20,000円以上-もする航空運賃なのである。「乗りたければ乗ってみろ・・・」という運賃である。これでは、奄美大島は発展しない。
ちなみに、日本航空は奄美大島から撤退したいのが本音である。
 
 さて、独立開業講座的に考えると、規制緩和に騙されてはいけないと言うことである。郵政公社の件でも民営化と言いながら宅配業者が入れないようにしている。規制緩和とか民営化に騙されることなく、巨額の投資が必要ない仕事を探して頂きたいのだ。

確かに、航空会社は誰も出来ないが、大なり小なりこれからも設立と経営危機で新聞紙上に載る。。
夢があるのはいいが、これが、周りに迷惑をかける仕事であるということ。これは、大きなリスクでありすぎる。
 
特に、飛行機を操縦していたら航空会社の設立なんて考えなかったと思う。特に、エアドウの初代社長さんも大変な苦労をしていた。この原因は、半分は政府が邪魔をした。
後の半分は独りよがりの営業だったということ。とどめは、全日空と日本航空のサンドイッチ先方にやられた。つまり、便数が少ないから空中戦で負けたのである。これこそが、航空会社の経営である。と、洒落にならない状況なのだ。

 これは、航空会社だけではなく他の業界でもありえるのかもしれない。今回のフジテレビとライブドアの件でもそのようなことがあったのかもしれない。

現状の把握は最も大事だ。私も現状を把握しているのだが、実際には利益が上がっていないので、抜本的に経営を見直している。日々、延滞と借金では潰れているのと同じである。
 観光ガイド業という仕事の中で、その他からの利益を上げていかないと経営は成り立たない。同業者が増えても減ることはない。
 

 観光ガイド業も航空会社も同様で、人を多く乗せて軽く飛ぶ事が重要なのだ。  
ちなみに、航空会社が黒字になる方法として、乗客の皆さんが肥満でなければいいのだ。飛行すると言うことは重くない方が燃料消費が少なくてすむのだ。
80キロの人を100人乗せるよりも、60キロの人を100人乗せた方がいいに決まっている。

ともかく、自分に都合の良い考えでいいから、在庫とか重量とかも考える事だ。常に、経営は、軽くして空を飛ぶという発想でありたい。

   

さて、仕事がないので車の燃料は、仕事が来てから入れるようにしている。余計な燃料は入れない。
これも航空会社の発想から来ている。貴社の自動車が多い場合には、無駄な燃料が不良在庫となっているが、それに気が付かない。いつでも走られる状態を想定しているからだ。

■教訓

  1. 極力在庫を持たない。
  2. 自動車の燃料も考えて給油する。車両台数が多いと無駄な在庫になる。
  3. 常に軽い商品で利益率の高い商品。たとえば、軽自動車1台分で1,000万円の商品。なければ作ればいい。
  4. 航空会社の社長でも飛行機を操縦したことがないと言う現実。経験のない仕事に手を出すな。