基武雄の独立開業講座

金作原鳥蝶植歩ツアーを変更しました

奄美大島で観光ガイド業を生業にして今年で9年になった。
 その間必死で勉強した。図鑑を読んで記憶して、実物を観て忘れた。季節があるから植物は覚えたらいつの間にか枯れてしまう。だから忘れる。また、図鑑の写真も完璧ではないから実物と一致しない。野鳥、蝶そして昆虫になってくると面食らってくる。金がないからガソリン代がなく現場へ行くことが出来ない。
行ったときにデジカメで撮影して覚えてきた。

 ところが、一昨年の9月頃から気が付いたのだが、観光客の皆さんは初めての奄美大島なので、景色をなめるようにあっちを観たりこっちを観たりしている。気が付いた、これでは飛んでいる野鳥や蝶を俊敏に観ることが出来ないので、視線を固定させて、たとえば右目で全体(森)を左目(木)で動く野鳥や蝶を観るように話しをしている。
 これには誰もが面食らってしまう(笑)。このように、すべての風景の中で飛び交っている野鳥や蝶を俊敏に観ることが出来るように説明している。

 仕事でも家庭でも自然でも、森を見て木を見る。木を見て森を見る。これが瞬時に出来るような訓練をしている。これが出来るようになると、良い例ではないが銀行強盗やひき逃げ犯人の車が瞬時に脳裡に撮影される。常にカメラがあるわけではないので、脳裡撮影の練習である。

仕事は仕事、家庭は家庭、遊びは遊びという切り替えスイッチは簡単に身に付かない。しかし、この3つを常に意識しながら観て頂ければきっと、誰もが気が付かない瞬間や発見がきっとあると信じている。
 また、なんちゃって軍事訓練をしている。これを見て女性の方が「武士道ですね・・・」と、言われたときには、思わず「なんで女性が分るんですかぁ・・・」と、私はビックリ。 
 
 そして、自然の中で、動植物の説明も良いのだが、いつでも切り替えられる知識のスイッチを作ることが一番だと思っている。これから、起きる災害や事故にもきっと役に立つ。常に何かに置き換える考えは大事である。これがないと、発想も出てこないし、企画書も書けない。

 このように、仕事と家庭。あるいは、遊びには共通点がないと思っている方々があまりにも多いようである。実は仕事も家庭も遊びも私に言わせれば8割は同じである。たとえば、安全性、観る、聴く、実行する。自動車を使う、各種の道具を使う。学校で習った事が役に立つ。全く同じと言っても過言ではない。
 そこで考えた、金作原鳥蝶植歩(きんさくばるちょうちょうしょほ)ツアーでは、仕事でも家庭でも役に立つように自然を説明している。

まず、歩く前に、野鳥の説明をする。これは特徴だけを説明し、色と形。植物に関しては目立つ色の物だが、奄美大島は白色の花が多いので目立つから誰でもが探しやすい。それからラン等の植物を観る。これは喜んで頂ける。ちなみに、5月は、カクチョウランとユウコクランが咲いている。このユウコクランは、至近距離で観ても「えっ・・・」と思うのである。色が黒茶色なので周りの色に同化してしまうのだ。でも神秘的で綺麗。

■野鳥の場合
カラス、鳩、雀、鶴の形を思い出させる。この4種類の形を思い出して頂いて、「あれはなにっ・・・」という鳥を見た場合に何色だったかを聴く。だいたいわかる。特徴をいかに捉えるかである。

■蝶の場合
アゲハチョウはわかると思うが、黒色に白色だったらモンキアゲハ。このように、形と色で判断する。写真撮影が出来るほど容易ではないので、脳裡撮影と考える。
たまには、蝶が羽を広げてとまっているときがある。急いで車が降りて、パチパチとデジカメ撮影をする。

■植物の場合
特に、シダの場合には裏の胞子の色と付き方を説明する

■写真撮影
誰でもが、モデルさんのように見えるように撮影している。これが好評である(笑)。

■感動したら次は、笑いがでる
これに関しては、金作原鳥蝶植歩ツアー参加者だけのお楽しみ。


このように、仕事の内容が変化していく。常に、観光客の皆さんに分かりやすい説明と五感への刺激がないといけない。3時間という短い時間ではあるが、満足度を高めていくために努力と笑いのツボを探してもいる。仕事も家庭も、そして遊びも退靴(屈)という靴を履いての観光ガイドはいたしません。