ビジネスの世界から見た徳田虎雄
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著者 基武雄の人生劇場
病院経営で生きず待っている方は、ご連絡ください。
1997年、大阪府八尾市の八尾徳洲会病院で売り上げを上げたことが徳洲会で伝説になっています。
簡単に売り上げを上げる方法教えます。
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まえがき
徳田虎雄がなぜ短期間にこれだけの成功を収めたかという色々な事が考えられるかと思います。まず、最大の要因は、24時間オープンという病院をどこの地域でも求めていたからではないでしょうか。
それが、関西地区だったのです。(もちろん、全国的にもそうですが)大阪府松原市、岸和田市、八尾市。京都府の宇治市などが初期のころの病院なんですが、早い話しが、成功の法則としては、競争力のない地域で活躍することにあるのではないでしょうか。各業界のことと80%は同じだと思います。
ただ、色々な本を読んでもわからないところもありますし、参考にするとしてもどういう具合にしたらいいのかがわからないとか共通する問題はあるわけです。20世紀と言う時代を私なりに反省した時に、今までは、パレートの法則(80:20の法則とも言う)だったが21世紀からは90:10の比率になるのではないでしょうか。
それが、90:10の割合に急速になると予測しています。その証拠に、各業界の再編が進んでいるのもその理由の一つだと考えています。もちろん、医療業界も同じです。私は、医療業界に関してはまったくの素人ですが、これからの内容に関しましては、ビジネスの世界では共通だと考えています。
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パレートの法則
この世の中に100万円のお金があったとします。この世の中の人の20%が80%のお金を持っているのです。
逆にいうと、80%の人たちが20%のお金をもっているのです。売り上げも同じ。
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1.土地を探せ。「必ず一等地に、誰も知らない土地がある」 |
2.徳田先生は、病院建設の依頼に関しては丁重に要望を聞きます。しかし・・・。
徳洲会病院を開院してから,全国各地(特に医療過疎地から)から「私達の市町村に徳洲会病院を開院してほしい」という要望があります。それに対して、徳田先生は、その市町村で講演をするわけです。
しかし、ここで1番大事なことは、政治家が本当に、その地元に病院を必要とおもっているのか、また、政治家の点数稼ぎではないのか、ということ。
そして、もっとも大事なことは、住民運動としての盛り上がりと、必要にせまられた。「必死」になっているのかということを言いたいのです。徳田虎雄が開院するのではなく、地元の人達が、土地をどうするのか・・・等々。クリアしなければならない問題が山積しているわけです。
たとえば、地元が土地を提供するとか(実際にそういった例はあります)、住民の皆さんが署名運動をするとか、もちろん、「皆さんにお金を出せ」とはいいませんが、「必要だから」という切実な要望でなければ実現はしません。
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3.医療機器の購入について
病院と言えば、誰が考えても思い出すのが医療機の購入問題ではないだろうか。顕微鏡、胃カメラ、MRI、レントゲン等挙げるときりがない。医療機器も一括で購入できる物はそのようにしている。
特に、最新の医療機器の購入に関しては、徳田虎雄自身が神経質になっている。それを使う医師の要望とか、レベルの問題もあるが、常に最新機器の導入に力を入れています。国立病院にしかない何十億と言う医療機器を購入するのである。
購入方法としては、早い話しがまとめ買いである。つまり、同じ医療機器を何台購入するから、「まるごとHOWマッチ」というわけだ。
メーカーとしても、正直言って、最新機器をいきなり何台購入するからと言って、あれだけたたかれたらどういって返事をしていいのか分からないのではないだろうか。
想像するだけで、メーカーの見方になりたいくらいである。それはともかく、各社がしのぎを削っている医療機器の開発競争はすさまじい物がある。特に、病気も多種多様になってくると高度な機器でないと使い物にならないのである。
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4.薬品の購入について
病院と言えば、医療機器の他に「薬」がある。この薬が、病院経営の大きな稼ぎ頭になっている。これは、病院が悪いのではない。今の医療報酬がそうなのだからしかたがないことなのかもしれない。
さて、医療機器同様に、徳洲会は、まとめ買いという購入システムになっている。これには、色々な理由があると思うが、まず、プロパーたちが、新薬を始め色々な薬品を売るのに苦心惨憺しているのである。値引きの問題、裏の問題等・・・あげれば、本業以外の事にも神経を使わなくてはならないのである。
ところが、徳洲会に関しては、同じ薬品を大量に購入してくれるから、よけいな仕事がない。見積りが合えば、まとめ買いしてくれるので営業も少しは楽になる。
徳田虎雄は言う「いちいち、ゴルフだ、女だ、とよけいな仕事をしなくてすむだろう。」その分少しでも安くしてくれ」と。
人間が、目に見えて無駄な苦労というか、労力を嫌うのです。単刀直入に、すっきり、はっきりの購入方法を徳洲会スタイルなのではないでしょうか。
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5.常に競争あるのみ |
6.新しい発想は行動なくしてありえない
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7.P&Gの戦略と、ほとんど同じ東京戦略
P&Gをご存知でしょうか。ボーナスという洗剤、生理用品などを販売している外資系の会社です。この会社は、東京を攻略する際に考え出したのが、千葉県、埼玉県、神奈川県の3県を先に徹底的な販売促進をしました。
そうすることによって東京という入りにくい市場を攻略していったのです。(くわしいことがわかりしだい掲載します)徳洲会もどうようで、東京進出となると莫大な資金が必要になります。
ご存知のように地価の高さは世界一というありがたくない価格です。医療の場合には、その病院の都道府県に関係なく医療費は同額なのです。経営的には、地価が安く、建設費が安く済んだほうが、黒字になるのが早いわけですが、東京ではそうはいきません。ところが、石原都知事誕生と同時にこの問題が一挙に解決するようになりました。
徳田虎雄と石原都知事は医療という問題に関しては、意見が一致しているのですが、実際に、その問題を解決すると言うことになると、全国的にも実績のある徳洲会病院でなければ、東京都の財政難と言う情況の中で、病院を開院するということは無理だし、それよりもなによりも,東京都の病院自体が赤字(間違っていたらごめんなさい)ではないでしょうか。
つまり、東京都の周りにある3県の徳洲会病院の実績がものをいうわけです。説得力もあるわけです。すべてが、P&Gの戦略と同じではありませんが、なにかのヒントにはなるのではないでしょうか。
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8.1人でも絶対に不幸な死に方をさせるな
この考え方と行動に対しても徳田虎雄は職員に対して、「医療と福祉に休日はない」と言い切っています。
まず、職員にはAという地区に病院が開院するとなったら事前に、全国らスタッフを招集して全戸ローラー作戦をして、病院の開院の説明と、特に「デイケア」「独居老人」「家庭に老人がいて悩んでいる家庭」を探して、家庭の人の負担軽減、スピーディーな対応への準備をするように命じています。
しかし、徳洲会病院といえども、医者が病院で待ちの姿勢で患者さんに対応していると言う点はいただけない。それもそのはずで、今の医者は病院にいることが医者だと勘違いしているのです。
本当の病気と言うのは、その人の家の造りと食生活の間違いと運動不足から来ているのです。
それを、医者がわかっていないというシステムと勘違いがあると思います。看護婦さんもそうです。
医療の世界セールスの世界同様、医者や看護婦さんが地域を全戸訪問すること、その患者さんをみただけで一瞬にしてわかるんです。へたなMRIなんかいらないのです。
医者も看護婦さんも病院スタッフの皆さんは勉強して腕を挙げる前に社会勉強をしてからにしなさい。その方が世の中がわかりますから。
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9.大手ゼネコン救済対策
大手ゼネコンに対する不良債権問題が表面化する前から、徳田虎雄は、そのゼネコン救済対策のひとつとして、自分の病院を建設させることによって救済すると言う考え方を持っている。
これは、ゼネコンの資金で病院を建設し、長期返済をするという考え方である。これは、徳洲会病院だけが、儲けるとかいう話しではなく、すべての物には、寿命があるわけです。戦前に建てた建物は現在老朽化しているわけです。
また、医療の世界では、色々な医療器械の開発により病院内に導入したくてもスペースが病院内にはないので、土地があれば移転したいという考え方が必然的に出てくるわけです。そうなると、必ず、新築ということになるわけです。昔と大きく違うのは、駐車場問題があるので移築という考え方も必然的に出てくるわけです。
国が安易に、補填したり、銀行が 不良債権ということで債権放棄をするという考え方ではなく、働いて返していただくと言う事をしないといつまでもこの国の借金はなくならないのではないでしょうか。
この発想の原点は、全国に多くの病院、診療所を建設してきた経験から、「徳田虎雄が」ということよりも,建設会社、銀行、国民の税金消耗という観点から考えると、ゼネコンが病院を建設して、それを長期的な返済でもOKという経営感覚と先見性をみいだせば,雇用も生まれるし次世代の病院建設と言うノウハウの蓄積と実績、また、現在、徳洲会は、世界各地に病院建設を推進しているわけですが、日本のゼネコン各社の英知を指導することもできるわけです。
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10.競争力がない地域での戦略
徳洲会がこの26年間と言う短い時間の中で急成長してきたかと言うと、ひとつには、競争力のない地域での展開があるのではないでしょうか。
まず始めに大阪地区での開院だったわけですが、どこにも、24時間オープンの病院がなかったのです。患者さんとしては救急車での盥回しに何度もあっている経験上、徳田虎雄の言う24時間オープンの病院に賭けてみるしかなかったのではないでしょうか。そこが、現在、急成長している最大の理由なのです。
競争力のない地域に、この場合には、最新の医療プラス、24時間安心して医療が受けられるという精神的な安定を地域住民が望んでいたわけです。
ただ、誤解していただきたくないのは、徳田虎雄は、「そんな病院はいりません」という地域には造っていません。あくまでも、住民のみなさんの必要性がなければ努力をしません。
本来は、そういったことがあること自体おかしいのですが現実はそうなんです。
ここで考えなければならないのは、いつの時代でも競争力がなく地域の人が求めているサービスとか商品とかがあるはずです。確かに、ほとんどの日本人は何不自由もなくくらしているわけですが、探してみてください。きずいて見てください。なにかあるはずです。都会なりに、田舎なりに。
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11.これからの徳洲会は、病院以外にもホテル、マンション、ビルディング、医療機器、薬、リース業も経営する。
徳洲会の戦略の中に上記のような考え方と同時に、実は進行しているのです。
つまり、病院もホテルもマンションも基本的にはあらゆる面で同じだということです。但し、これには、今までの実績がともなうということです。つまり、健全な医療を全国展開し、スタッフを募集し、経営し、そして、納税をするということが1年間の繰り返しなのです。
業種は問わないのですが、ひとつの事業が成功すると後は、同じ事の繰り返しで、それに関する業者も同じなのでスムーズに行くと言うことです。
しかし、徳田虎雄はそれだけでは納得しないのです。その時代の最先端技術の物を購入するということです。病院で言うと、高度な医療機器(約20億円)です。国立病院がやっと購入するような物を購入するわけです。
他社、あるいは他の病院が購入できないような医療機器で最先端の治療をすることによって、医師、オペレーターのレベルアップを図るとともに、患者さんに肉体的、金銭的な負担がかからないように努力しています。
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12.都市の中心には病院が来る時代
本日(平成14年8月22日)の、NHKラジオの午前6時41分ごろから放送される「ビジネス展望」でも話していましたが、これからの時代は、「都市の中心には病院が来る時代」と、いう話をしていました。
その最大の理由は、高齢化社会にあります。以前から、徳洲会では、この老人医療に関しては、異常とも思えるほどの仕事をしてきました。徳田先生は、「自分の医療施設のある都市から、死後何日とか、病院に行けずにどうしていいのかわからない」と、いう老人を出すなと、頻りに言い続けてきました。
さて、都市の中央に、病院が建設される時代になりました。
それも、今まで以上の大きい病院でないと建設が出来ません。これは、一般医療、救急医療と老人医療になってきます。その時に、上記のラジオ放送でも話していたように記憶していますが、コミュニティー的な病院を求めています。
つまり、病院に行くという感覚ではなく、「コミュニティーセンターに行く」という感覚が、特に、老人医療に関しては大事なのではないでしょうか。
ここで、ビジネスに対しては、何が考えられるのでしょうか。
1.今までになかった、病院スタッフの接客では全くダメ。「医療接客ビジネス」の新しい分野が求められている。
2.医療コミュニティー用具の開発
3.病院というデザインではダメ。全く、破天荒とも言うべき、設計者が求められている。
たとえば、千葉県鴨川市だったと思いますが、亀田総合病院だったでしょう。(正式名称が間違っていたらごめんなさい)この病院以上の斬新な病院が求められています。
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