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■概要
タイトル:『チョウが語る自然史―南九州・琉球をめぐって―』
著 者:福田晴夫
仕 様:A5判、320ページ
定 価:3080円(本体2800円+税)
■内容(目次より)
第1部:南九州と鹿児島県本土
序 章 アサギマダラの旅―鹿児島発―
第1章 なぜ,ここにチョウがいるのか
1.チョウという生き物
2. 日本産チョウ相形成史の変遷
第2章 九州の中の鹿児島
1.日本本土の誕生と九州
2.九州のチョウのいくつかの問題
3.九州の昆虫のいくつかの話題
4.九州の植物相
第3章 姶良カルデラの巨大噴火
1.鹿児島県の地質図を眺めて
2.姶良カルデラの巨大噴火
3.姶良カルデラ噴火後の世界
第4章.霧島山の自然史
1.霧島山の形成史
2.チョウを見ながら歩こう
3.栗野岳カシワ林騒動の顛末記
4.照葉樹林の危機
第5章.北薩の自然史
1.分布南限種を探索した伊佐地方
2.特異な生物相を示す出水平野
3.かわいそうな紫尾山!
4.川内川を下る
5.藺牟田池の浮島とベッコウトンボ
6.恐竜の島,甑島と獅子島
第6章 鹿児島湾と桜島の自然史
1.形成史
2.湾岸と湾内の島の生物相
3.桜島
第7章 大隅半島の自然史
1.地形とその形成史
2.悠久の森と白髪山地
3.高隈山
4.肝付山地(南隅山地)
5.“日本の台湾”と言われた佐多岬
6.志布志湾沿岸の砂丘と松林
7.志布志湾に注ぐ河川
8.枇榔島
第8章 薩摩半島の自然史
1.地形・地質
2.火山活動の歴史
3.山地,台地の生物たち
4.吹上浜砂丘と松林の虫たち
5.湖沼,河川のトンボたち
6.開聞岳の昆虫
7.宇治群島と草垣群島
第2部:南西諸島
序 章 クマゼミのいない島
第1章 南西諸島の生い立ち
1.南西諸島というところ
2.南西諸島の形成史
第2章 鬼界カルデラと三島村
1.鬼界カルデラ火山の噴火
2.三島をめぐる
3.三島の昆虫
第3章 種子島―低地の多様性が高い島―
1.島の形成史
2.植物相の寸描
3.変わるチョウ相
*馬毛島
第4章 屋久島―花崗岩の森の島―
1.島の成立史
2.植物とチョウの垂直分布
3.幸屋火砕流を生き残った
4.分布欠落種のこと
*口永良部島
第5章 トカラ列島の自然誌
1.吐噶喇(とから)という島々
2.渡瀨線の由来
3.チョウの三宅線と渡瀨線
4.渡瀨線の検証
5.トカラに至る多様な経路
6.トカラ列島のチョウ
7.島々の地史と環境
第6章 固有種の宝庫・中琉球―奄美諸島vs 沖縄諸島―
1.世界自然遺産の島々
2.チョウ相の比較
3.もうひとつの分布境界線
第7章 中琉球と南琉球を比べる
1.ハブのいる島いない島
2.植物はどこから来たか
3.動物はどのようにして来たか
4.チョウはどこから来たか
5.採集禁止の虫たち
第8章 南琉球の寸描
1.地史は難解?
2.南琉球のチョウの問題点
3.個性豊かな島々をめぐる
第9章 動く,南西諸島のチョウ相
1.1950年~2010年に南西諸島を北上したチョウ6種
2.現在も侵入している迷チョウ
第3部 ヒトが来た
序 章 クマソの襲来―ソテツの新害虫を追って―
第1章 最古のヒトたち
1.ヒト,アフリカから鹿児島へ
2.旧石器時代
3.縄文時代
4.弥生時代
第2章 歴史時代
1.自然史記録の少ない時代
2.粗放農耕社会(後期)
3.集約農耕社会(前期)
4.集約農耕社会(後期)
第3章 琉球列島のヒト
1.時代の流れ,ヒトの渡来
2.旧石器時代
3.貝塚時代
4.グスク時代
第4章 明治・大正時代
1.明治時代
2.大正時代
第5章 昭和の戦前・戦中・戦後―自然が最も豊かな時代?―
1.戦前
2.戦中・太平洋戦争中
3.戦後
第6章 高度成長期の激変とその後
1.森林の激変
2.草地の変化
3.耕作地の激変
4.昆虫の世界はどう変わったか
第7章 反作用としての新しい問題
1.自然保護思想と保護運動の台頭
2.ヒトの生活の自然離れ
3.子供たちの自然体験不足
4.世代間の自然体験の差異
5.郷土の自然を調べる人の激減
第8章 私の環境教育論―試案・私案・思案―
1.世の中の動き
2.地球環境問題とは何であったか
3.楽観論か悲観論か
4.人々の敏感な反応と鈍感な反応
5.教育現場では
6.私が気にしている課題あれこれ
第9章 あれから25年,それからどうした
1.国や県などの対応
2.生物多様性への対応
3.環境教育は変わったか
4.農村環境もさらに変わる
第10章 これから どうしよう
1.どのような自然が望ましいか
2.一般家庭で出来ること,やりたいこと
3.学校教育への期待と願い
4.行政マンへの7つのお願い
5.新しい自然史博物館が欲しい
結 章:要約
年表
■著者紹介
福田晴夫(ふくだ はるお)
1933年,鹿児島県生まれ。鹿児島大学農学部卒,1956年から鹿児島県高校教師,県立博物館に勤務。この間その後に鹿児島大学非常勤講師。
所属:日本昆虫学会,日本応用動物昆虫学会,日本鱗翅学会,日本蝶類学会(元会長),日本蛾類学会,日本セミの会,昆虫DNA研究会,鹿児島ほか7つの昆虫同好会。
著書:チョウの履歴書,チョウの生態観察法,鹿児島のチョウ,共著としては原色日本蝶類生態図鑑(全4巻),蝶の生態と観察,アジア産蝶類生活史図鑑(全2巻),日本産幼虫図鑑,昆虫の図鑑採集と標本の作り方,ほかに著書,論文,短報など700余編。